バレエを習いたいと考えた時に、まず必要なのは教えてくれる教室を探すことです。憧れているバレエ団があるなら、付属するバレエ団に入る方法もありますが、まずは基礎を身につけることが必要です。ただ、バレエ教室にも様々なものがあり、知らないで入ってしまうと思っていたのとは全く違うことを教わることにもなりかねません。そこで事前に知っておきたいバレエの種類とその違いについて詳しくご紹介します。

バレエの3つの種類

トゥシューズを履きレオタードを身につけて踊るのがバレエですが、実際には色々な国にバレエが伝わると共に変化しています。バレエを鑑賞しているとどれも同じように見えてしまうかもしれませんが、それぞれに違いがあります。まずは代表的なバレエとして以下の3つを見ていきましょう。

ロマンティック・バレエ

フランス革命後に生まれたバレエです。これまでの伝統や権威といったものに反発し、神秘的なものや自由を重んじるロマン主義によるバレエで、幻想的なものが多く演じられます。ロマンティック・チュチュと呼ばれるくるぶし丈、もしくはそれより長いチュチュを女性ダンサーが着るのが特徴です。ロマンティック・バレエは今のバレエの起源となったバレエであり、つま先立ちで踊る振り付けはここから生まれました。また踊りによってストーリーを表現するため、演劇的要素が強い作品が多くあります。

クラシック・バレエ

フランスからロシアに伝わったバレエが、独自に発展したのがクラシック・バレエです。バレエの技術が重視され、ジャンプや連続回転など複雑な技法が取り入れられたことから、丈の短いチュチュが考案され、クラシック・チュチュと呼ばれています。三大バレエと呼ばれる「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」「白鳥の湖」はどれもクラシック・バレエの代表作です。ただしこの三作品は、上演や演奏の人気の高さもあり他のバレエも含めすべてのバレエにおける代表作とされています。

モダン・バレエ

20世紀の初めにロシアで生まれたバレエです。制約の多いクラシック・バレエに反発し、自由で個性的な表現をするバレエとして広がりました。トゥシューズを履かず、衣装も自由で、民族舞踊を取り入れるなど自由な表現方法を取り入れているのが特徴です。

モダン・ダンス

バレエの規範や技術に縛られず、身体芸術としての表現を舞踊で試みる動きから生まれたのがモダン・ダンスです。19世紀末から20世紀の初めにドイツとアメリカで生まれ、コルセットとトゥシューズを履かず、裸足で踊るなど新しい踊りを試みたのが始まりとされています。モダン・バレエはクラシック・バレエを基礎としていますが、モダン・ダンスは古典的なバレエを否定、また反逆することで生まれたダンスです。そのため、バレエとは違うと考える人もいます。

バレエの流派の違い

日本ではバレエ教室の基準というものがないため、バレエ教室ごとに指導方法には違いがあります。ただしバレエの種類ごとに流派があり、メソッドと呼ばれています。バレエの発展したロシア、フランス、イギリスの3つの流派があります。教室でどのメソッドを採用しているかは明記されていないことも多いです。ただ教室を変わる時に違うメソッドを採用している教室だと、練習に戸惑ったり最初から学び直す必要が出てきたりすることもありますので、教室に入る前に確認しておくことが必要です。

R.A.Dメソッド

イギリスや英国式バレエのメソッドです。イギリスのRADという組織のメソッドを学びます。

ワガノワメソッド

ロシアのバレリーナ、ワガノワによって作られたメソッドです。

オペラ座メソッド

フランスで設立されたオペラ座バレエ学校のメソッドです。