200年以上の歴史を持つバレエは、ダンサーの踊りだけでなく音楽や舞台装置の要素が組み合わさった芸術作品です。また、バレエは様々な音楽や小説を元に作られているため、耳にしたことがある有名な曲も多くあります。そこで、バレエをもっと知りたいと考えている方のために、ぜひ鑑賞して欲しい有名なバレエ作品を詳しくご紹介します。

クラシック・バレエの三大名作

伝統的なバレエであるクラシック・バレエは、ロシアで発展したバレエです。ロシアの作曲家であるチャイコフスキーが音楽を手掛けた以下の3作品は、今も三大バレエとして様々なバレエ団で演じられています。

白鳥の群舞と高い技術が見どころの「白鳥の湖」

呪いによって白鳥に姿を変えられたオデット姫は、王子ジークフリートと運命の出会いを果たします。ところが呪いをかけた魔王がオデット姫にうり二つの王女オディール姫をジークフリート王子に会わせ、王子は惑わされてしまいます。しかし真実を知った王子はオデット姫と共に悪魔を討ち果たし、呪いを解くというストーリーです。元々の話は悲劇なのですが、色々な演出や解釈で新しい「白鳥の湖」が作られ、近年演じられているものはハッピーエンドのものがほとんどです。オデットとオディールは1人2役で演じられ、オディールには三十二回連続回転という大技があります。

クラシック・バレエの様式美が満載!「眠れる森の美女」

原作はペローの昔話「眠れる森の美女」で、チャイコフスキーが音楽を手掛けた作品です。クラシック・バレエの三大バレエの一つですが、他の2作品に比べて改訂が少なく、元の振付を手掛けたマリウス・プティパのものが引き継がれています。原作のストーリーよりもダンサーの踊りを重視した流れとなっており、登場人物それぞれの踊りや主役の王子と王女の踊りなどは古典バレエの様式が秩序にのっとって配置されています。特に主役のオーロラ姫の踊りは高度な技が多く、安定した踊りとテクニックに加え、華やかさも求められるため難役といえます。

クリスマス気分を盛り上げる!ロマンティックな「くるみ割り人形」

クリスマスイブの夜、くるみ割り人形をプレゼントされたクララが夢の世界に旅に出る「くるみ割り人形」は、クリスマスに多く上演される作品です。原作はドイツのホフマンが書いた童話「くるみ割り人形とねずみの王様」をペールがフランス語に翻案した「はしばみ割り物語」となっています。作曲はチャイコフスキーですが、振付のマリウス・プティパが病に倒れてしまったため、部下のレフ・イワノフが代行しました。クララを子役が演じ、金平糖の精を大人のダンサーが踊る演出や、クララと金平糖の精を同じ大人のダンサーが踊る演出、大人のダンサーがクララと金平糖の精をそれぞれ別々に踊る演出などがあります。

ロマンティックなストーリーが魅力!「ロミオとジュリエット」「ジゼル」

三大バレエの他にも、名作はたくさんあります。「白鳥の湖」が好きなら、ぜひおすすめしたいのが「ロミオとジュリエット」と「ジゼル」です。愛を貫くロミオとジュリエット、ひたすらに愛を貫く村娘ジゼルには、感情移入してしまうはずです。この2作品は男女のリフトが見どころとなっています。

ハラハラドキドキ目が離せない「海賊」「ドン・キホーテ」

バレエは女性ダンサーの踊りが見どころですが、男性ダンサーが活躍する「海賊」は活劇要素も満載なので楽しめる作品です。「ドン・キホーテ」は有名な喜劇作品が原作で、音楽も有名。また主役二人の高難度な技も見どころです。

「くるみ割り人形」が好きなら「コッペリア」もおすすめ

人形であるコッペリアに命を与えようとする人形師に町娘の恋が絡んだ喜劇が「コッペリア」です。結末が演出家によって違うため、何度みても楽しめるところが魅力といえます。また人間(町娘のスワニルダ)が人形(コッペリア)になりすます踊りには注目です。